4 自由という恐怖—Wish#1の修正・追記—
貴族的
人には、運命づけられている「性格」というのがあります
先祖が長い間かけて培ってきた「生き方」が自分の細胞の中に刻まれています
どの情動を自分が強く持ち、どのような精神を自分が持って生まれてくるかは、「運」!!
【人間】は、動物的な「欲」を持ち、考えるための「脳みそ」を持ち合わせています
それなのに、日本の道徳が、この自然な姿を歪ませている
【人間】が自分の意志に従って生きることを妨げようとするのが、日本の道徳です
自由は全ての【人間】に必要不可欠です
自分自身が自分の支配者となる【人間】にとっての「自由」は、水や空気のように絶対に必要なものです
【人間】から自由を奪うことは、死も同然、アンドロイドになります
私が言っている【人間】というのは、開拓者・創造者として生まれてきた人々のことを指しています
開拓者というのは、好奇心を持って挑戦する人
創造者というのは、「心」や「未来」を想像して世界を創る人
「内側から見た世界」を創る人です
貴族的な人です
貴族的というのは、嘘つきから区別される言葉を語源とし、「真実な者」という意味を含んでいます
「誰にでも当てはまる客観的な道徳は存在しない」という本質が分かり、「自分自身の徳」を持つ精神の強い人です
言い換えると、「内側から見た世界だけが存在する」という科学のパースペクティブをもつ人です
〔…〕自分の四つの徳、すなわち勇気と洞察と共感と孤独という四つの徳の主人でありつづけることだ
『善悪の彼岸/ニーチェ著/中山元訳』光文社P455
貴族的な人は、「自分の徳」を持っています
自分で世界を創造できるから、多くの人が騙され続けている「外から見た世界」「客観的な道徳」という錯覚は必要ないのです
卑俗なものに染まらないために、孤独という徳が必要なのです
貴族は錯覚に騙されることなく、自分自身を信じる独立した存在でいることを徳としています
「貴族的であり、強い精神を持っている」
このような人たちには、息をするのと同様に自由が必要です
創造主は、神ではなく、自分自身だからです
「自由は怖く、苦しいもの」と感じる人
開拓者・創造者ではない人の中に、
自由は怖いもの
自由は苦しいもの
と感じる人がいます
そう感じるのであれば、「その人の自然な感じ方」であるのだから、それを周りの人がとやかく言うことではないよね~
と言いたくなる方もいらっしゃるかもしれませんが…
「自由が怖い、自由が苦しい、という感じ方は、その人の自然な感じ方ではない場合がある」と私は考えているのです
もちろん、最初から「我こそが道徳であり、我以外に道徳はない」と、運命づけられている人もいます
客観的な道徳の存在を信じて疑わない人です
その人は、生まれつき「自由が怖い」「自由が苦しい」と感じます
これが、自然な姿です
この思想を持つ人にとって、私の伝えている内容は恐ろしいものに感じられます
「自由が怖い」と感じる人に、「自由は素敵だよ~」というのは、恐怖です
「高い所が怖い」と感じる人に、「高い所は素敵だよ~」と言っているようなものです
なぜ「自由が怖い」と感じるのでしょうか
私の考えを書きますが、まずは、自分で考えることが大切なので、隠しておきます
自由というのは、独立(孤立)が必要です
他人に従うのではなく、自分自身に従います
1人1人、違う価値を持つ多様性を認め合います
自分の価値、自分の行動に自分が責任を持ちます
他の人々を支配しなければならないと思うのは、じつはそれらの人々に支配されるかもしれない、という恐怖があるからだ。協力ではなく戦いを好むのは、他の人々が強いかもしれないという恐怖があるからだ。
・・・
自分が弱いと感じる人々は、他者を恐れ、警戒し、自分を守るために、自分たちのアイデンティティーとされるものに群がる。強い人々は恐れることなく、対立せずに協働し、自分とそのほかの人々のためによりよい世界の創造に寄与する。誰かがみなさんに何かを恐れるべきだというのは、その人が弱いからだ。
『規則より思いやりが大事な場所で/カルロ・ロヴェッリ著/冨永星訳』NHK出版P196-197より
自由を欲する人もいれば、怖がる人もいる
それは、自然なことです
開拓する人も必要だし、そこにあるものを守り続ける人も必要
種の保存のためには、多様な人々が必要です
自由を欲する人は、新しい人類の生き方を開拓し、科学を発展させ、文化を牽引する生き方を運命づけられています
自由を恐れる人は、「未知のものが怖い」と感じ、そこにあるものを保守するように運命づけられています
それぞれが自分に運命づけられた力を発揮することで、数十万年もの間、人類は協働の集団として発展してきました
協働が、人類が進化するために有利な方法だからです
ところが、わずか1万年ほど前、自然な協働の姿が崩れはじめたのです
大きく崩れたのがキリスト教が広まった時だ、というのが、ニーチェの主張です
キリスト教は「平等」を説いていますが、ニーチェは「階層がある」としています
ニーチェのこの思想について、「自分の能力に応じた(運命づけられている)自然な姿がある」「違いを認め合う」というものだと私は解釈しています
ニーチェは「自然なままでいいんだよ」って、力強い言葉で伝えてくれているのです
実際、自分自身の自然な姿、自分の能力を理解して受け入れ、自分の力を発揮することで、人間本来の協働の世界ができあがります
道徳によって自分の自然な姿が壊されると、「自分が未知の存在」になってしまいます
平等の思想が広まり、道徳によって不自然な姿を強いられると、自分や他人の自然な姿が分からなくなります
この「分からないことへの恐怖」が、独立を妨げているのではないかと私は考えるようになりました
自分が分からないから、自分の軸がないから、独立できない
他人が分からないから、支配されるのではないかという恐怖が生まれる
多くの人と一緒に集団を作ってはばをきかせることで、未知の恐怖の存在である他人から自分を守ることができる、という思想になります
強い、弱い、というのは、精神の話です
自分の良い所も、悪い所も、全てをありのままに受け入れることができる強さの度合いです
自分のありのまま、自然な姿を受け入れる強さを持っていれば、強い精神
自分のありのまま、自然な姿を受け入れる強さを持っていなければ、弱い精神
弱い精神の人は、本質から目を背けます
だから、錯覚を信じようとする
カルロ・ロヴェッリさんの文章は、私たちに「希望」を届けてくれます
「長い人類の歴史の中で、他人を支配しようとする争いが起きているのはたった1万年ほどしかない。だから、また協働の自然な姿に人類は向かうことができる!」というような前向きな姿勢が感じられます
こうやって、詩人は、言葉によって多くの人にエネルギーを生み出させるんですね!!!
自由というのは、開拓者・創造者には必要不可欠です
だけど、「未知のものが怖い」と感じられる人にとっては、自由は恐怖です
自分で価値を創造できず、自分の行動に責任を持つ受け入れ能力がない人にとって、自由は苦しみです
違いを認めない道徳が人間の自然な姿を壊し、分からない恐怖が他人を巻き込み、開拓者・創造者の自由を奪います
でも、【人間】であれば…
自分で【人間】として生きることを選択できれば…
自然を破壊するもの
道徳が、自然を壊す
道徳が、人々を不自然にさせる
道徳が、「感じ方」を操作する
道徳は、感情を操作できるのです
客観的な道徳は、アンドロイドの世界の錯覚です
正しさから目を背けさせ、錯覚へと人々を導きます
外から見た世界は存在しないのに、それがあるかのように語っているものは、錯覚である
要するに、「客観的な道徳」を語る先生や親というのは、錯覚を語る悪意0の嘘つきになっているのです
錯覚である「客観的な道徳」に従うと、自分で気付かないうちに嘘つきになってしまうのです
貴族的な「自分の徳」に従うと、内側から見た世界が創造できるのです
内側から見た世界が網の目のようにつながっていくと…
この世界は関係で繋がり、1つになります
『世界は関係でできている』
「嘘つき」から区別するための言葉が、「貴族」という言葉です
自分が信じているのは、
錯覚を語る嘘つきの言葉ですか
それとも、
自分の徳を持つ貴族の言葉ですか
言い換えると…
古いものにこだわっていますか
それとも、
科学的なパースペクティブを持っていますか
さらに言い換えると…
錯覚の世界にいる自分を、自然な自分だと思うように操作されていませんか?
私の内側から見ている世界
「貴族的な強い精神を持ち合わせているにも関わらず、不自然な状態の自分を、自分の自然な状態だと思わされている人が日本にはとても多い」と、私はみているのです
つまりは、自己理解をさせてもらえない日本の学校で道徳を刷り込まれ、そのまま大人になっている人です
自分の自然な状態を知らずに、「道徳によって外から壊された不自然な状態」を本当の自分だと思っている
【人間】なのに、アンドロイドの仮面をつけている自分に気付かない人
私は、そういう方々に向けて、このブログを書いているんです !(^^)!
そういう方々に、「他人に従うのではなく、自分の心に従うんだよ」「自分で世界を創れるんだよ」っていう言葉が響いたら、私は嬉しいと思ってブログを書いています🌟
【人間】なのに、アンドロイドの仮面を着けている人が、私にはたくさん見えるのです!!
「自然でいいんだよ」「ありのままで素敵だよ」って伝えようとしている思いは…
ONF と私は同じだ、と私は思っているのです
開拓者・創造者の人々と私は同じだ、と私は思っているのです
私の内側から見ている世界は、そういう世界です
01 はじめに…
02『読書について』
03『世界は「関係」でできている』
04 自由という恐怖—Wish#1の修正・追記—
05 自然!!—Wish#1の修正・追記—
06 支配者—Wish#1の修正・追記—
07 ハンマーで哲学する